Vandalize for the Rebirth.

女性向け小説&萌え語りを書く18禁ブログです

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シェルター[京薫]



いくつかの、暖色の照明に照らされただけの薄暗い部屋。
細かい水の粒が浴槽を打つ音だけが響いていた。

先程までの高揚と熱を汗と一緒に流すかのように
少し低温のシャワーを頭から被って。

目蓋を下ろして、照明と歓声に埋もれたあの空間を
フラッシュバックさせる行為に没頭する。

しかし今夜は。

その一人の行為は三回のインターホンの音で断ち切られる。









「………来るなら来るで、一言くらい言ってや。」







まだ濡れたままの体に
バスタオルを巻き付けて扉を開けると。

そこには自分同様、熱を持て余すかの様な顔つきの彼が立っていた。






「…すまん。何か……急に顔見たなって。」





少し俯く、半分をサングラスに隠した顔。





「…ま、入ったらえぇやん?」




ポタポタと落ちる雫が、絨毯に染みを作る。













***シェルター***










『時々、シェルターの様に彼はココへ逃げ込んで来て

僕の気持ちを曖昧から明確なものへ覚醒させていく。』






「………どした?」

京がバスローブを羽織りながら問うと
薫はサングラスを放り投げるようにして外し
ベッドへとダイブした。

「…ん、いや…何も無いねんけど…」

二つ並んだセミダブルベッドの
京の荷物が散らばってない方へ。
その体をぐったりと沈め、枕に顔を押し付けた。

その様子を少し目を細める様にして見ていた京は
冷蔵庫からペットボトルのミネラルウォーターを出し封を開け
口を付けながらもう一方のベッドへ腰を下ろした。





暫しの無言。





呼吸に合わせて上下する薫の背中を
ただじっと見つめて黙っている京。

その向かいで、体をうつ伏せに横たえた薫もまた
ただ黙り込んでいた。

どこからともなく聞こえてくる空気音が
室内の静けさを更に惹き立てるが
そこに何か異様な気まずさ、というのは存在しなかった。

まるでそこに二人が無言で存在するのが
当たり前かのように。






「…あん、さ。」

先に口を開いたのは
枕の上で頭だけを逆方向にひっくり返した薫で。

「何?」

目を合わせる京は、相も変わらず冷静なままで
その顔を見た。

「どっかに…触ってみてくれへん、かな…」

少しくぐもった様な声で呟くのは
薫の少しの照れからだとは思うが。
京は面食らった様に“はっ?”と問い返した。

「やから。…どこでもえぇねん。俺の体に触れてみて。」

右手を顔の横で握り締めた薫は
心なしか少し赤面していて。
京は思わず苦笑した。

「何やねん、急に…」

“こうか?”と、ゆっくり手を伸ばし
その背中の肩甲骨辺りに掌を当てる。
すると薫は“うん…”と頷き、ゆっくりと目蓋を閉じた。

京はその様子を窺いながら、その掌を上下させて
背中を摩るようにした。

掌から伝わる、微かに体温よりも高い熱。

おそらく、ホテルの自室でシャワーを浴びて来た事が
それから窺えた。

「何かさ…今日の俺、変やなかった?」

目蓋を閉じたまま言う薫。

「え、何が?」

おそらく“今日の”というのはライブ中の事であって。
ライブ中の京に他人の細かな分析を問うのは愚問であるのだが。
薫自身もそれは解っていて
京もそれを自分に問われる事は無いと思っていたから。
正直、少し面食らった。

しかし薫は、よっぽども不思議な感覚に陥ったかの様に
京自身と京の掌に何かを求めた。

「いや…何かなぁ…自分が自分やないみたいんなって、ちょっと怖かってんな。」

それがどういう感覚かは
おそらく京が一番、体感した経験がある。
だから京は、その言葉の真意を
生身まで言わずとも飲み込めた。

「あぁ…あるある、そういうん。何か…自分以外が別次元になるんやろ?」

苦笑しながら京が頷くと
薫は起き上がらんばかりの勢いで
“そうそう、ソレやねん!”と声を張った。

「何て言うたらえぇんか解らんけど、こう…」

右の手を懸命に動かしながら
その感覚の説明をする薫に
ただ無言で聞き入る京。

「足の方からじわーって、そこから消えてくみたいな感じやねん。」

思い出すかのように視線をクルクルと動かす様に
京は自然と笑みが零れた。

「…何やねん。」

“人が一生懸命、説明しとんのに”と
京の顔を少し睨む薫。

「すまん…ホラ、あれや…」

顔の前でひらひらと手を振って謝罪をするものの
八重歯を出して笑う顔はそのままで。

「…?何?」

薫が眉を顰める。

「説明しとるアンタがおもろいなってのと、」

そんな心無い発言に、火が点いた様に怒る隙も無く

「アンタが同じ感覚を持った、ってのがスゴイなぁ…て。」

むず痒そうに、嬉しそうに笑う京。
おそらく、こんな顔を見られるのは自分だけだろうな、と
薫は肩を竦めて、枕に頭を押し付けた。

「…あー、もー…京君、ズルいねん。」

ろくすっぽ説明も無しに、その感覚を汲み取ってくれたかの様に
おまけに更にその上を行く喜びさえ上乗せして。
京の、その何とも京らしい反応に薫は少し頬を赤くした。

「何やん、ズルいて。」

クク、と笑う京。

「…全部。俺、そんなん出来ひんもん…アホ。」

困ったような顔になる薫。
すると京はその前髪に手を伸ばして
まるで子供をあやすかのような手付きで撫で。

「惚れ直した?」

いつもの、口角を上げた意地の悪い笑顔を浮かべた。

「………うっさい。」

すると薫は小声で呟いて、顔を枕に伏せてしまう。

その反応に、京は驚いた様に目を丸くし
一瞬、体をビクつかせたようにも見えたが。
一呼吸置いたその後、薫の隣のベッドから立ち上がり
薫が寝転がるベッドへ移動した。

「俺、何もズルくないと思うで?」

薫の隣へ並んで、同じく体を横たえる京。
その腕は薫の体を包み込むように、背中に回され。

「今、自分がどうしたいかってのも、上手く表現できひんくらいやし。」

後頭部に鼻先を埋めて、甘えるかの様に薫に言う。

「…何か…アンタに惚れ直した気分やねん、な。」

“どうないしよう”と、項辺りで呟かれ
思わずシーツをグッと握り締めた薫。

心地良く、鳥肌が立つ様な感覚を堪えて。

「…どないしよ、て…また俺に甘えんのか、君は。」

クスリと笑って、体を仰向けにひっくり返すと
かち合った京の視線に、その眼差しを合わせた。

「えぇよ。京君の好きにしいや。」

首に腕を回し、数回、ゆっくりと瞬きをする。

それだけで、京には伝わる。

「どっちかって言ったら、ズルいんはアンタちゃう?」

クスクスと笑いながら
長い指を髪に絡ませてくる京の顔が
少し赤く見えるのは照明のせいなのか。
薫は少しだけ、困惑した。

「ん〜…どっちかなぁ…」

多分、どっちもどっち。

そう思ったのは、その先の行為を予想出来た結果
黙っておくことに決めた。
最後には、言わなくても解るだろうから。


































「っ、ん……」





布擦れの音と、荒い息遣いが
静かな部屋の中に響いていた。





「京ッ……」




“甘い嬌声”とは言えない程の
微かではあるが確かに漏れる薫の声。

その声に

その体に

その顔に

京の感覚が研ぎ澄まされていく様に
瞳の奥の光が強さを増していく。




「……も…あ、かん…!」




自分以外の全てが
別の場所に存在しているかのような
あの感覚。

今も
自分達以外の全てが
全く異質の所に存在しているように感じた。





ただ。




「…薫…っ…」




一人では無い、というように
否応無しに知らせてくれる熱だけが
自分の中を駆け巡っていく
その沸騰しそうな熱だけで

あんな風な恐怖感は感じなかった。








そして訪れる、微かな閃光の瞬き。








その一瞬でさえ
その存在で
揺ぎ無い“確証”に変わる。












「薫………俺に、全部くれへん?」









何もかもを奪って行くような波に
足元から襲われる。

その腕にしがみつく隙すら与えないように
何もかもが、自分の手から奪われていく。

ただ、それを手放してもいいと思ってしまうのは
きっと“この人”だからで。








「…もう、何も無いで…?全部、京君にやったから。」








裸の胸板を合わせて、互いに笑い合う心地よさ。

溺れていくのが、一秒一秒、解る。

今、目の前に在る存在が、自分の居場所であり

何よりも依存してしまうであろう存在だと。













『時々、シェルターの様に俺はココへ逃げ込んで

彼の気持ちを曖昧から明確なものへ覚醒させていく。』























それはもう“ズルい”と思う程

一秒置きに惚れ合って。









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Author:シトヲ
ここはDIR/EN//GREYのどこにでもいる感じのファンが書き散らかす、女性向け小説&萌え語りブログです。
同人・女性向け表現・同性愛にご理解の無い方は、閲覧をご遠慮願います。
また、ご理解ある方でも性描写などもゴロゴロしておりますので、未成年の方の閲覧には向きません。

全ての判断はお客様ご自身にお任せいたしますが、著作権・掲載権は放棄しておりません。

◆カテゴリ説明◆
お知らせ:雑記…皆様へのお知らせ、萌えをダダ語りしたり。
六弦隊…堕薫だったり薫堕だったり。もうどっちでもいい。
表現者:四弦…京敏だったり敏京だったり、京薫だったり堕敏だったり。
ゴミ箱…名の通り、ゴミ箱です。
未分類…DIR以外はここに仕舞っておきます。

◆管理人◆
シトヲ@KILLER BUG
★薫さんファン
★「堕威さんエッロ!」
★THE ドジっ娘
★伊藤さんみたいな足になりたい。
何かありましたら→haru11221437◇yahoo.co.jp(四角を@に変換)

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